成形ボールベアリングアセンブリ(カートリッジ)の
設計寿命に関する説明
はじめに
溶接スチールコンベヤローラー用の成形ボールベアリングアセンブリ(カートリッジ)のオリジナル コンセプトは、1980年代中頃にエドウィン・ロウ・リミテッドが開発したものです。これは、イギリ
スの国営企業、ブリティッシュコールが、英国にける採鉱とその後の石炭の貯蔵のために、地中と地 上で使用する大量処理システムのローラーに使用できるように開発されました。
ローラーの設計寿命/カートリッジの設計寿命
当時のコンベヤシステムに使用されるローラーは、ブリティッシュコールにより、最低設計寿命/耐 用年数が3年で26,000時間と指定されていました。これを受けて、エドウィン・ロウ・リミテッドで
は、新シリーズの成形ボールベアリングアセンブリにこの仕様を最低要件として採用しました。
専用シーリング方法
エドウィン・ロウ・リミテッドでは、これを達成するために、リップコンタクトシールを使用した既 存コンセプトの再エンジニアリングを行い、現在では充実したシリーズとして製造されているポリウ
レタン製3リップシャフトコンタクトシールの初の試作品を製作しました。ポリウレタンは硬度と耐 久性に優れた素材です。研磨や磨耗に対する強度の耐性を備えており、スチールローラーシャフト自
体の表面よりも頑丈です。
現在では、この最新世代のシール設計が弊社の耐久ボールベアリングアセンブリシリーズの標準設計 となっており、乾燥汚れや液体汚れに対して極めて優れた耐性を発揮しています。
メンテナンス不要
弊社の全ベアリングハウジングカートリッジは、完全密閉式で自己内蔵型であるため、ローラーの耐 用期間中のメンテナンスは必要ありません。このため、弊社のカートリッジベースのローラーコンベ
ヤシステムは、運用および保守コスト削減に貢献します。
現場での実績
当然のことながら、このように斬新な設計コンセプトの使用については、現場での実績が大切になり、エンドユーザー(ここではローラーメーカー)にとっては、効果的であるかどうか、効率的に作動
するかどうかが重要になります。
手短に言えば、エドウィン・ロウ・リミテッドの成形ボールベアリングアセンブリ(カートリッジ) シリーズは、3年間の設計寿命要件を超える実績を示しただけでなく、1980年代終盤から1990年代初
頭において、ローラーメーカー各社がこの新しい技術を採用したことにより、英国で大きなシェアを 確立すると共に、海外でも新しい標準を確立するに至りました。
エドウィン・ロウ・リミテッド – 英国バーミンガム – 成形ボールベアリングアセンブリ(カートリッジ)の設計寿命に関する説明
寿命の長期化
過去20年程にわたり、弊社では、世界中のローラーメーカーに製造ラインのアップグレードや近代化 に対するサポートを提供する過程で、カートリッジを使用したローラーの現場における性能に関して、お客様から多くのフィードバックをいただいてきました。
これらのお客様の作業環境は、超低温環境(北極圏など)から超高温環境(北アフリカの砂漠地帯) まで実に多岐にわたり、同様に、用途も石炭や鉄鋼石の採掘、採石、セメント工場から港湾処理シス
テムまで様々です。
現在までにお客様からいただいているフィードバックを基に判断すると、ローラーが正確に製造され、エンドユーザー様の下で正確に取り付けられ、使用されている限り、カートリッジを使用したロー
ラーは、50,000時間の最低寿命を達成していると言うことができます。
場合により、これよりも遥かに長い期間にわたってローラーの寿命が維持されているケースが見られ ますが、もちろんこれは、ローラーメーカー各社の製造プロセスの性質やエンドユーザー様の作業効
率に依存します。